ゴルフスイングは不変ではない

ゴルフクラブは昔と比較して格段に進化しました。それなのにスイング理論は昔のままで良いものでしょうか。

ドライバーショットで飛距離を伸ばすといったことも含めて、ゴルフの技術を向上させるためには、自分の改善したいポイントを補ってくれるゴルフクラブを見つけることは非常に重要だということが言えます。

飛距離アップを確実に実現していくためには、ここで考えておかなけれないけない重要なことがあります。それにはこれまでのゴルフスイングに関する知識を一度捨ててしまう必要があります。

ゴルフを覚え始めた当初のことを振り返ってみましょう。どのように知識や打ち方を覚えたのかを思い出してみます。

中には完全に独学で始めた人もいるかとは思いますが、ほとんどのゴルファーは、既にゴルフプレーを楽しんでいる知人、友人に教わったり、ゴルフ雑誌を読んだりして覚えはじめたのではないでしょうか。

実はこの最初の頃に教えてもらったゴルフスイングに関する知識が、みなさんの飛距離アップやゴルフ上達の妨げになっている可能性が高いと思われるのです。

ゴルフを習い始めるとよく聞かされるレッスンに関する説明があります。「ビハインド・ザ・ヘッド」「ポールをよく見ろ」「腰を切れ」という言葉を一度は言われたことはあるのではないでしょうか。

いまだにゴルフ練習場なので先輩が後からゴルフを始めたビギナーを教えるのにこうした表現が使われていたりして、レッスンの常套句とも言えるもので、皆さんも誰かの口から聞いたことがある可能性は高いでしょう。

こうした言葉は、50年近く前から既に言われてきたことでゴルフの一般常識として多くの人々に認知されてきたものです。

元来、日本のゴルフスイングのセオリーにはアメリカの野球のスイング理論が少し入り混じっていて、腰を先行させて棒を振るといった伝統的な考え方は野球のバッティング理論の影響を受けています。

以前であれば、このスイングに関する考え方でほとんど問題ありませんでしたし、正しかったのだと思います。

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これはその昔に使用していたゴルフクラブとゴルフボールに対しては問題のない話だったのです。

しかし現在では必ずしも有効とは言い切れないのが本当のところです。

昔から言われていたことは間違っているはずがないと皆が何も疑わずに使われ続けているのがゴルフスイングに関するこれらの一般常識です。

しかし、現代では通用しくなっているという声が大きくなっているのです。

その理由を説明するための前提として、ここでゴルフクラブ、とりわけ飛距離アップとの格闘と言ってもよいドライバーの進化について説明しておく必要があります。

多くの方が既にご存じのこととは思いますが、今でこそチタン合金がドライバーのヘッドの材質の主流になっていますが、昔は柿の木、つまりパーシモンが主流でした。

金属材料で作られているのに、ウッドと呼ばれるのはその昔の名残なのですが、パーシモンのドライバーは、金属のメタルドライバーとは異なり空洞ではなく、とても重いものでした。

シャフトも最初は木が使われていましたが、スチールシャフトが1910年に誕生して耐久性に優れているというメリットが大きかったせいでこちらを使うようになりました。

つまり、30年くらい前までパーシモンヘッドにスチールシャフトという組み合せの時代が長く続いていたことになります。

当時は当たり前のことですが現代のような軽量スチールシャフトといったものは開発されていませんから、ドライバーの重量はおよそ380gほどありました。

現在のドライバーの主要重量が300g前後という状況と比較すればおよそ80gも重かったのです。

さらに今のようにボールが上がりやすいドライバーなど開発されていなのため、当時のゴルファーは、自分の力でこのように重いドライバークラブでボールを上げる必要がありました。

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そんな中で皆が経験から学び取ったレッスン方法の中に「ビハインド・ザ・ヘッド」等の言葉があったのです。

当時のドライバーの長さは現代の3番ウッドや5番ウッドと同じぐらいで42インチから43.5インチぐらいでした。

しかし、それでも長く重いクラブでボールを上げるためにはヘッド軌道を上から下に振りおろすダウンブローにする必要性は非常に高かったのです。

クラブヘッドを加速させてボールとの衝突するためのパワーを高めて、パックスピンを増やす必要性が欠かせないポイントだったわけです。

最初に述べたようなゴルフのレッスン用語は、それを実現するために行う動きを伝えるために生まれたのでしょう。

す。

最新のドライバーは素材も形状も昔とは雲泥の差があり、当時の飛距離アップのためにはに不可欠であったボールを上げる技術も過度な重さも必要ありません。

これほどまでに使用するゴルフクラブが進化したのに対して、半世紀も前のゴルフスイングのセオリーをそのまま当てはめても良い結果が得られないのではと考えても不思議ではありません。

ゴルフスイングに関する理論は日々進化し続けていて、それも徐々にです。

最新のゴルフスイングの基本的な理論は、なるべく無駄を省いた効率の高いスイングが望ましいとされています。

つまり、昔のように身体を使ったダイナミックなゴルフスイング理論は必要なくなりました。

どうしてゴルフスイングの基本的な理論は変化していくかをもう少し説明しておきましょう。

セオリーが変わってきた理由は、使用する道具であるゴルフクラブとボールの進化と密接に関係しています。

ゴルフクラブは、ここ20年ほど前から急激に新しい技術が導入されてきました。

つまり、より飛距離を伸ばしたい、より曲がらないショットを打ちたいというアマチュアゴルファーのニーズを満たすために研究開発がされてきたのです。

そのため、ほぼ毎年のように新製品のゴルフクラブが各メーカーから発表されてきました。この流れは今も変わりはない言っても良いと思います。

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ドライバーはその典型とも言える存在であり、以前より総重量は軽くなり、長さは明らかに長くなり、クラブヘッドのサイズも大きくなりました。

さらに、ヘッドの素材自体も進化してきて、木製(ウッド)からステンレス合金、アルミ合金、ジュラルミンといった様々な試行錯誤を経てから現在の主流はチタン合金です。

ゴルフクラブが進化することで、そのクラブを使ってボールを飛ばす動きであるゴルフスイングにも当然変化が求められます。

ゴルフクラブが変化したからスイング論が変化したとは一概には言えないかもしれませんが、大きな影響があったことだけは確かでしょう。

重くてボールが上がりにくかったはずのクラブを使って如何に飛ばすかを考えなければいけなかったのが、いつの間にか簡単にボールが上がるようになって、自分の好きな重さを選べるようになったのは確かです。

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