柔らかいシャフトの功罪
近年のアベレージ向けといわれるゴルフクラブの流行として、クラブ全体の軽量化と柔らかなシャフトが明らかに増加しており、その勢いには目を見張るところがあるように感じてしまいます。
なぜクラブ全体を軽量化する傾向が強まったのかと言えば、クラブヘッドのサイズが大型化し、シャフトも長くなることで振り抜きの悪さを改善することがあるでしょう。
他にも、体力的に衰えを感じているようなゴルファーでも楽に振り切ることが可能になって、ヘッドスピードをアップさせやすいというところも確かにあるような気がします。
確かに多くのゴルファーが漠然と抱いている印象としては、やさしく扱うことが可能になって、容易にボールを打つことができるように進化しているという風にとらえているのではないでしょうか。
そう考えれば、1打のスコアに厳しくしのぎを削り合うようなゴルフをなりわいとしているプロゴルファーも、軽量のゴルフクラブや柔らかなシャフトを使っても不思議はないはずです。
しかし、そういった特徴を持つゴルフクラブを使用しているプロゴルァーは、ほとんど見かけないような気がするのではないでしょうか。
その理由はどこにあるのかを掘り下げて考えていけば、本質的な意味でのゴルフクラブの特徴を見抜いていくことにもつながるのではないでしょうか。
そして、自分のゴルフスイング補助してくれるようなやさしいゴルフクラブがどんなものかも見えてくるのではないかと思えます。
そうした背景を基にして、ここで自分にマッチしないゴルフクラブを選ぶことの弊害にフォーカスしていくこととにします。
市販されているモデルが、柔らかいシャフトヘと移行している原因についてですが、シャフトには、固有振動数という数値項目があります。
これはヘッドもグリップも装着された状態において、グリップ側を固定したうえで、クラブヘッドを揺らしたときに1分間で何回振動するかという数字のことです。
手元側が柔らかいタイプのものはその数値に大きく影響を与えるため、シャフト全長の硬さを示すという完全に意味ではありません。
しかし、あくまでも目安としては硬いシャフトになるほど、振動する回数も増加して数値は大きくなって、柔らかいシャフトになるほど振幅する速度も遅くなるので、振動数の数値は小さくなる傾向は確かにあります。
何年かまでまでは固有振動数が250rpm前後のRフレックスのシャフトが標準的な硬さでした。
しかし、最近のドライバーに装着されるRフレックスの振動数を調べてみると235rpm前後とどんどん柔らかくなる傾向が強まっているのが実際のことろです。
では、どうしてシャフトはどんどん柔らかくなっているかをこれから説明していきます。
シャフトのしなり
では、なぜシャフトは柔らかくなってきているかについてですが、第一に言えることは、シャフトのしなりの幅を大きくする効果としてヘッドスピードを上げることで、飛距離と深く結びついているボール初速をアップさせることがあるでしょう。
ゴルフのルールによってヘッドの反発係数が制限されている以上、シャフトを改善することでボール初速をアップさせる方法を道を探るということは、至極当たり前の流れとも言えるでしょう。
しかし、それとは違う見方をするゴルファーも中にはいます。それは、同じブランドをずっと使い続けているコアなユーザーについて考えてみればわかることです。
2年もたてばモデルチェンジし続けてきて、それを買い替えていくというユーザーは確実に年齢を重ねていきます。
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そこで、クラブメーカーは、そうしたコアなユ-ザーの期待を裏切るようなモデルは発売することは難しいという一面があるのです。
そんなニーズにマッチするゴルフクラブを製造しようとすれば、加齢によるヘッドスピードの低下をシャフトの性能で補う目的でシャフトも柔らかくしているなどということも必然的に出てきています。
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