番手に合わせたゴルフスイングの実践

パターを除いた他のゴルフクラブで共通するゴルフスイングの基本となるコアの部分はかなり大きなものがあります。

ゴルフスイングの基本中の基本として、どの番手にも共通することはたくさんあります。しかし、パターを除いたすべてのゴルフクラブを同じようにスイングすべきだと考えた方が上達を目指す早道になることは確かです。

ドライバーはヨコ振りでアイアンはタテ振りなどという考え方も確かにあるでしょうが、これはゴルフクラブの長さやライ角が異なることに起因する要素に過ぎません。

それぞれを比較すればドライバーショットはフラット、アイアンショットはアップライトであるということにすぎないのです。

ゴルフクラブの長さやライ角は、番手によって少しずつ違ってくるということを大前提にして話を進めていきましょう。

アイアンの場合は、1番手ごと変わるごとにライ角が0.5度、長さが0.5インチくらい変わるのが一般的なことです。

物理的な側面から言えば、クラブの長さが変わればアドレスの前傾角度は変わりますし、その違いのせいでスイング軌道も当然変わります。

しかし、プレーヤーはあくまでもどのクラブでも同じ感覚でスイングすることが非常に重要なことなのです。

さらに、ドライバーショットはアッパーで、アイアンショットはダウンブローという説明の仕方も確かにあります。

もちろん、高く打ち出してバックスピンを減らしたいという目的のドライバーショットでは少しアッパー気味にボールをとらえたほうが効率がいいでしょう。

また、芝の上に直接置かれているボールを打つアイアンショットでは少しダウンブロー気味にボールをとらえなければダフリが出る可能性が高まるでしょう。

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こうした点に関しては、ティアップの高さやボールのセット位置を調整することで解決可能な問題です。

ドライバーでティアップする目的は、スイング軌道の最下点よりも先のポジションでアッパーにボールをとらえるためです。

アイアンのボールのセット位置がドライバーよりも右寄りになる理由は、スイングの最下点もしくはそのちょっと手前でクリーンにインパクトを迎えるという目的があります。

それにもかかわらず、番手ごとにゴルフスイングの感覚を変えるということはスイング自体を非常に複雑なものにしてしまいます。

14本のゴルフクラブそれぞれに別々のスイングをしなければいけないのだとしたら、それをすべて意識した上でマスターすることは上達することを考えた場合に非常に非効率的だと言えるでしょう。

また、ゴルフスイングを複雑にとらえるということは、緊張する場面でのミスショットが増える要因にもなりかねません。

こうした原理・原則さえ理解していれば、別なゴルフクラブを持ったからといってゴルフスイング自体を変える必要が何もないとわかるはずです。

ただし、先ほど述べたたように、スイングの基本は同じだとしても、番手ごとにアドレスの前傾角度やボールのセット位置などを少し調整することで、そのクラブが本来持っている機能を発揮しやすくするのです。

番手によって構えを変えること

ここで、番手によってアドレスのどの部分を変えるべきかという話をもう少し詳細にしておきますが、まず第一にボールのセット位置の問題です。

ゴルフクラブは番手が大きくなるほど長さが長くなりますから、結果的に自然と長ゴルフいクラブほどアドレス、スイング軌道もフラットになるのは明らかなことです。

ただし、番手を変えればライ角も違ってきますから、スイング軌道はその影響を受けて自然に変わると考えるのが自然であり、基本的にはそれだけで十分です。

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ですが、やはりショートアイアンはしっかり球を上げてグリーンにピタリと止めたいと考えますし、フェアウェイウッドの場合などはゆるやかな入射角で前にボールを飛ばしたいという考えるわけです。

また、クラブの機能面から見ても、ショートアイアンはバウンス角が多めについているので、ややアップライト気味に打ち込んだほうがクラブの機能を発揮しやすいと言えるでしょう。

フェアウェイウッドの場合は、広いソールを滑らせるように払い打るゴルフスイングのほうがミスが減るはずだと容易に想像できます。

そういったクラブごとの機能をしっかりと生かすためにも、短い番手は少しだけ打ち込むイメージで、長い番手になれば少しだけ払い打つという微調整を考えるほうが成功する確率もアップするわけです。

例えば、ピッチングウェッジ以下のウェッジ類の場合は、ボールを両足のちょうど真ん中の位置にセットして、番手が上がるにつれてボールのセット位置は左にシフトしていきます。

目安としては、1番手につきボールのディンプル2個程度が適当だという意見もありますがあくまでも個人個人のセンスで決めるべき問題でしょう。

ゴルフクラブという道具の進化で、昔と比較すればボールのセット位置は確かに右寄りになっていると言えるでしょう。

しかし、それでもスタンスのセンターよりも右側にくることはありえません。

昔であれば、スピンをかけようとして、ボールを右にセットして上から潰すように打つタイプのゴルフスイングもありましたが、現代のゴルフクラブとボールの性能からは考える必要はありません。

どう打ったところで糸巻ボールや角溝ウェッジのようなスピンをかけることはできない相談ですから、その点を無理に追求してほんのわずかなスピンを追及するのは得策ではありません。

それよりも、ボールを右に置くことにでゴルフスイングが詰まるデメリットのほうが大きいと考えるべきではないでしょうか。

ボールのセット位置の他には、左右の体重配分が少し違ってきています。ドライバーに限れば6対4のやや右体重となり、フェアウェイウッドやユーティリティ、ロングアイアンで5対5くらいです。

一方で、6番以下のミドルもしくはショートアイアンになれば、ほんのわずかに左に多めにウエートをかけてアドレスすることになります。

このよにアドレスを少し調整すれば、同じスイング感覚で振ってもゴルフクラブの動きは自然に変わってくれるものです。ゴルフスイング自体をあれこれ調整する必要性はありません。

現代のゴルフスイングの特徴

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球筋に関しては、あくまで個人の持ち球という類の話に過ぎません。

現代のゴルフクラブやボールではボールを意図的に曲げたり高さを意図して調整したりといった工夫を凝らす必要性は昔ほど高くはありません。

ゴルフクラブは以前よりもボールを曲げることなく容易に遠くまで飛ばせるように進化してきています。

そのため、ボールはスピン量を減らす傾向が強くなりつつあり、いくら曲げたいと思っても昔のようには曲がらないというのが本当のところです。

クラブヘッドが大きく進化した理由は、重心を深くし、慣性モーメントを大きくする設計になったことで、少々芯を外したところで曲がらないようになってきたためです。

ボールが3ピース、4ピースと進化したことは、ドライバーショットのスピン量を減らして飛距離を稼ぐことが第一の目的としてあるからためです。

こうした進化はどれも、ボールにサイドスピンをかけて曲げようとするためには障害になりこそすれ助長はしません。

仮に、キャディバッグの底の方に古い糸巻きボールが残っているのであれば、現代のボールと打ち比べてみれば一目瞭然です。

昔のボールはこんなに曲がったのかと驚くはずですす、ゴルフクラブに関しても同様のことが言えます。

そうした最新の道具を駆使して無理にボールを曲げようとするのは、ミスショットを生み出す原因になる可能性を生み出すものの、ほとんどメリットはそこにはありません。

実際、パンチショットなどを比較してみても、普通に打った場合と距離の差はほとんどありませんし、アゲンストの風の中で普通の高さの球と低い球を比較してみても、大差はありません。

そうであれば、どのような状況下でも同じようにスイングすることに集中したほうがより単純にプレーできて、プレッシャーのかかる状況でのミスも出にくくなるのは必然とさえ言えることです。

アゲンストの風ならばクラブを1~2番手上げれば済む話であり、ドッグレッグホールなら奥のコーナーに向かってストレートに狙えば済むことです。

こうしたプレースタイルこそが、現代の曲がらないように進化したゴルフクラブの性能にマッチしたゴルフスイングの基本なのです。

飛距離重視のディスタンス系ボールを使う方にとっては、この影響はより顕著に見られることでしょう。

プロゴルファーが好むウレタンカバーのスピン系ボールよりもさらにスピンがかかりにくいため、思い切りフックをかけようと意図したスイングをしても、ボールはストレートに飛んで行ってしまうでしょう。

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パーシモンでゴルフを覚えはじめて、球筋をコントロールすることが上級者だと理解してきた世代の方々にはちょっと物足りない状況かもしれません。

しかし、代わりにヘッドスピードが早くなくてもそれなりの飛距離が出せるようになって、スイートスポットに当たらなくても大きく曲がらないようになったという時代なのです。

そうした点を素直に受け入れて、ゴルフスイングに対する考え方を改めるべき時代だと認識した方が良いでしょう。

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